炭素繊維複合材料を用いたエネルギー利用の高効率化
東レ株式会社
概要
比強度・比弾性率に優れた炭素繊維の特徴を活かし、航空機の燃費向上、風力発電での効率向上等のエネルギー利用の高効率化に貢献する。
説明
軽くて強い炭素繊維複合材料(CFRP)は、航空機や自動車に採用され、その軽量化と燃費向上に貢献している。材料の製造から廃棄までのトータルの環境負荷を評価するLCA(ライフサイクルアセスメント)でも、CFRPの使用がCO2排出量削減に大きく寄与することが分かる。当社のグローバル開発体制を活用し、高性能かつ成形しやすい炭素繊維複合材料を開発することで、航空機における炭素繊維複合材料の適用範囲の拡大を実現し、CO2排出量のさらなる削減を目指していく。
クリーンエネルギーの代表といえる風力発電は、ヨーロッパなど各地域で大規模な設置が進んでいる。発電効率を上げるためには、ブレードの大型化が必要であるが、従来のガラス繊維複合材料では、大型にするとたわみが大きくなるため、ブレードが支柱にあたって破損する危険があった。高い剛性を持つ炭素繊維を用いた複合材料をブレードに適用してたわみを抑制し、軽量にすることで、大型のブレードを有する風力発電を実現できる。東レは本技術を広く紹介して、高効率な風力発電設備の普及を進めることで、エネルギー製造時のCO2排出を大幅に削減していくことを目指す。
補足情報
東レグループ サステナビリティ・ビジョン
https://www.toray.co.jp/sustainability/pdf/sustainability_j.pdf