高分子膜を用いたCO2分離膜・システムの開発・実用化

東洋紡株式会社

概要

当社の保有する高分子膜技術を活かし、火力発電所等から排出される二酸化炭素（CO2）や窒素（N2）などを分離する膜・システムの開発にチャレンジする。
CO2の分離回収に用いる膜技術には、主に高分子膜、無機膜があるが、コスト性の観点から高分子膜の実用化への期待が大きい。当社は、血液透析用の医用膜、海水淡水化プラント向けの水処理膜、ワイン濾過膜など、高分子膜を用いた膜分離技術・知見・製品を数多く保有している。一方で、工場から排出される二酸化炭素や窒素などのガスの分離膜に求められる性能は非常に高い。他機関との積極的な協業（共同研究・開発、製品化）により、性能とコスト効率を両立した、産業界で広く導入が可能なCO2分離膜・システムの実現を目指す。

説明

１. チャレンジ到達目標
・性能と実用性を両立したCO2分離膜・システムの開発および実用化

２. チャレンジ実現に向けて克服すべき課題
・分離膜の高性能化および実用化・普及レベルのコスト効率の実現
例：分離選択性（分離係数100以上）、長期安定性、化学耐性、耐熱性、耐圧性

３. 当社の具体的アクション
・協業先の探索
（協業案）
大学等：基本的な分離膜の技術開発
当社：モジュール化や膜の量産技術の開発・性能評価
プラントメーカー等：システム開発・設備設計等
・協業先決定後は、上述の当社担当業務の実施

４. 実現した場合の効果
・火力発電所等から排出されるCO2ガスの分離回収（CO2/N2分離）の高効率化に貢献可能