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ゼロエミッション達成に向けたリニューアブル燃料の導入

伊藤忠商事株式会社

概要

 伊藤忠商事は、廃食油等の非可食の油を主な原料に、水素化精製プロセスを経て生産されるリニューアブル燃料であるRenewable Diesel(“RD”)及びSustainable Aviation Fuel(“SAF”)の日本での普及に向けてサプライチェーンの構築に取り組んでいる。

 本燃料は使用することで日本の省エネ法・温暖化対策法ではCO₂排出量ゼロ、Life Cycle Assessmentベースでも約70-90%のCO₂排出量削減が可能であり、欧州や米国西部では広く利用されている製品である。

 2020年10月に全日本空輸株式会社(“ANA”)と協働で、日本初となる商用定期便用SAFの羽田空港・成田空港への納入を実現。RDに関しても日本初の導入事例を実現すべく取り組んでいる。将来的にはRDやSAFを中心としたリニューアブル燃料を日本国内でも普及させ、2050年のゼロエミッションを達成する上での有力なCO₂削減策として、日本のCO₂削減に寄与していきたいと考えている。

 

説明

 伊藤忠商事は、世界最大のリニューアブル燃料生産者であるフィンランドのNESTE Corporation社等と協業し、RDやSAF等の日本での普及に取り組んでいる。先述の通り、LCAベースでも70−90%と高いCO₂排出削減量を誇る本燃料であるが、導入の上での大きなメリットとして、既存の石油由来燃料の供給設備をそのまま使用することができるドロップイン型の燃料であるため、追加設備投資が一切不要であることが挙げられる。有効なCO₂削減策として電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)などもあげられるが、これらは全て車体の変更及び燃料補給ポイントの設置など追加の設備投資が必要なものであるため今後も内燃機関の使用は並行して継続されていくと考えられ、菅首相が表明した2050年のゼロエミッションを達成するためには内燃機関でそのまま使用可能なリニューアブル燃料の導入も求められると弊社は考えている。

 欧州や米国西部等では広く普及している本燃料であるが、日本での普及を目指していく上では欧米のようなカーボンプライシング及び補助金体制の確立、認知度の向上が求められる。弊社は2020年10月にANA社と協働で納入実現したSAFに加え、RDに関しても納入実績を今後日本国内で積みあげ、リニューアブル燃料の供給体制の確立を目指すと共に、将来的には日本での生産体制の確立も目指していきたいと考えている。

 

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