EN

多彩なエネルギーリソースをAutoDRシステムにより統合制御するVPP事業

アズビル株式会社

概要

アズビルでは、大規模業務用ビルを中心にBEMS※を活用したAutoDRシステムを開発しVPP事業を展開している。出力不安定な再生可能エネルギーの拡大に伴い更なる調整用電源が必要となる中、VPPにより需要家側のエネルギーリソースを活用して調整力などを創出し、主力である調整用電源のLNGや石油の削減に寄与していく。
また業務用ビルのみならず、各種プラントや工場などもディマンドリスポンスのノウハウを展開し、調整力、予備力、供給力の創出により、省CO2に寄与していく。

※ BEMS:Building Energy Management System

説明

大規模な業務用ビルは、そのほとんどにBEMSが採用されている。BEMSをアズビルのクラウドシステムへ接続することで、クラウド上からBEMSの操作が可能となる。この接続方法は、アズビルで30年以上も事業展開している総合ビル管理サービスBOSS-24で実績がある。アズビルのクラウドは、各電力会社と指定されたディマンドリスポンス用のプロトコルであるOpenADRで接続しディマンドリスポンスの信号の授受が可能である。
ディマンドリスポンス時には、予め需要家と合意した手順により、各種設備機器の需要抑制を行う制御はもちろん、蓄熱槽を活用した蓄エネや電気熱源からガス熱源に切り替える熱源シフトなどピークシフトに下げのみならず上げのディマンドリスポンスにも柔軟に対応することが可能である。
今後予定されている需給調整市場や相対取引により必要時に調整力を創出し、既存の調整電源の代替として活用できる。
また今後は、業務用ビルの駐車場にはEVが普及していくことが予想されておりビルの契約電力削減のみならず、ディマンドリスポンスへの活用が期待されている。アズビルは2016年度から経済産業省のVPP事業にも採択されており、BEMSとクラウドを活用したEVの充放電マネジメントを実施するシステムを開発している。これによりVtoB※を実現し、調整力の中でも比較的早い調整力も提供可能となり将来は周波数調整力を持つ一次調整力への活用も期待している。
これら業務用ビルは、大きなネガワットポテンシャルがあるが、今後EVの普及等でポテンシャルは更に大きくなる。今後は市場の整備状況や関係者のニーズを確認しながら需要家をディマンドリスポンスへとエスコートし、VPP事業の拡大を目指す。
各種プラントや工場へも同様のノウハウを展開し、需要家側のエネルギーリソースの活用により、今後開設される需給調整市場、容量市場だけでなく、値差を活用した卸電力市場での取引活性化や、FIT切れFIP導入による調整力ニーズへの対応、電力小売り事業者のインバランス回避のための調整力など、様々なニーズに対応したエネルギー事業として展開していき、VPP活用によるCO2削減に寄与していく。

※VtoB:vehicle to building

この会社の他の事例

連携制御の技術開発・普及によるグローバルにおけるCO2排出量削減

アズビル株式会社

> 詳細を見る

類似事例

2050年ゼロエミッションを目指して

日本航空株式会社

> 詳細を見る

48Vハイブリッド車向けエンジン出力軸直結型ISGシステム

三菱電機株式会社

> 詳細を見る

CCS実現に向けた取り組み

日揮ホールディングス株式会社

> 詳細を見る

CO2回収に適した次世代火力発電(酸素吹IGCC)の実現

電源開発株式会社

> 詳細を見る

CO2排出ゼロ飲料・酒類製造に向けた再生可能エネルギー導入

サントリーホールディングス株式会社

> 詳細を見る