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高耐衝撃軽量発泡ドアトリムの開発

トヨタ紡織株式会社

概要

世界トップレベルの耐衝撃特性を有する樹脂素材「高耐衝撃プラスチック」を活用したドアトリムを開発。発泡成形技術を用いて、高い衝撃性能を維持しながら従来の基材と比較し約20%の軽量化を実現、車両重量を軽減する事により燃費向上に寄与し、CO2排出を削減。この技術の更なる向上にチャレンジし、拡販を進めることで、脱炭素社会実現に貢献する。

説明

『高耐衝撃軽量発泡ドアトリムの開発』は、ドアトリム樹脂基材において世界トップクラスの軽量化を実現したものである。軽量化の背反となる耐衝撃性の低下に対し、材料設計によるロバスト性の高い対策を実施したことが特徴で、耐衝撃性の改質剤として、ナノオーダーで制御された”サラミ構造”(※)を持つ材料を開発し発泡ドアトリムへ応用した。また、剛性目標を満足するためには、高倍率発泡成形が必要であり、工法開発も本製品を実用化する上で鍵となった。このサラミ構造と高倍率発泡成形の組み合わせにより、軽量化と耐衝撃性を高次元で両立できた。現在は更なる拡販に向けたコスト低減活動を推進中。

※サラミ構造:世界で数例しかない、複数の材料から形成された複合樹脂の相構造の種類。サラミ構造をもった材料は、耐衝撃性が飛躍的に向上する。食べ物のサラミの断面に類似していることが由来

補足情報

1. 高耐衝撃軽量発泡ドアトリム
https://www.toyota-boshoku.com/jp/content/wp-content/uploads/03_2_Lightweight_Molded_Foam-_Door_Trim-_with_High_Impact_Resistance-1.pdf

2. トヨタ紡織プレスリリース:トヨタ紡織と豊田中央研究所が共同開発した高耐衝撃プラスチックが「2019 R&D100 Award」を受賞
https://www.toyota-boshoku.com/jp/news/release/detail.php?id=9714

3. トヨタ紡織2050年環境ビジョン
https://www.toyota-boshoku.com/jp/pdf/vision-plan_2050.pdf

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