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工場・事業所等の電化促進

東京電力ホールディングス株式会社

概要

「第5次エネルギー基本計画」の重要な施策の一つである再生可能エネルギーの主力電源化を推進するためには、再エネ発電を利用する電力需要の増加が必要である。現在、日本の電力需要は省エネ等の進展により微減で推移している。電力需要の減少は需給バランスに於いて供給過多となり再エネ発電の投資意欲を減退しかねない。一方で日本の最終エネルギー消費の約75%は需要場所での化石燃料燃焼需要であり、再エネが利用されていない需要である。この化石燃料燃焼需要を電化させることが再エネ発電の導入拡大に繋がるものの産業部門を中心に電化技術に普及は鈍い。このため、イノベーション技術の導入など非連続な電化に向けた取り組みを行う必要がある。

説明

パリ協定を受けて、主要国は日本と同様に野心的な温室効果ガス削減目標を打ち出しているが、電化の推進を温室効果ガス削減のための重要な政策として掲げている国が多い。日本政府も閣議決定した「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(2019年6月11日)」において、特に産業部門においてイノベーション技術を用いた電化を盛り込んだ。

東京電力ホールディングス(株)経営技術戦略研究所でも、「電力供給サイドで電源の低炭素化を進めること」と「需要サイドで電化技術への置換を進めること」の掛け算は、現時点で実用段階にある技術だけを想定しても、CO2排出量を7割程度削減できるポテンシャルがあることを試算している。

しかしながら、日本の電化率は最終エネルギー消費で約25%に留まっており、過去20年で5ポイント改善しているもののその伸びは緩い。中でも需要場所での化石燃料利用技術(ボイラ・乾燥炉・還元反応など)は技術的に確立しており、単純な熱源転換では電化を推進する動機づけにはならない。一方で世界では例えば、鉄鋼業界のミニミル(電炉・電解炉)などイノベーション技術による電気利用も徐々にではあるが顕在化しつつある。技術立国の日本においてもデジタル技術と電化・電動化を組み合わせることで生産性や品質を向上させることで技術競争力の強化を図ることが可能と思料する。

電化は工場に限らず事業所においても可能である。特に業務分野のエネルギー需要の約半分は100℃未満の給湯・冷暖房であり、この分野は日本が得意とする電動ヒートポンプの普及が見込める需要である。

工場・事業所での電化需要の増加が供給側での非化石電源への投資意欲も増加する。

当社としては、需要場所で直接排出される燃焼需要によるCO2排出を抑制し電化率を向上させるために、開発を行ってきたヒートポンプ熱源機器等の普及促進や電気利用設備の導入に必要な初期投資の回避や導入設備の高効率運用までを役務型で行うエネルギーサービスなどを通じて、需要家の電化率向上を支援する取り組みを行っていく。

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